LUNCHMATE
1日目
「何でお前此処にいんの」
「とりあえず、うるさい」
「そこは俺の席だ」
「うるせェな、んなこと決まってねェだろ」
「四半世紀前からここは猿野様のナワバリだって決まってんだよ」
「猿のナワバリ争いになんか関わる気はねェ」
「ああ!?何だと」
「中庭のベンチに座って何が悪い」
「悪かねェけどそこ空けろ」
「とりあえず、めんどくさい」
「口の減らねェ犬だな」
「うるせェよ馬鹿猿、座るならとっとと座れ」
「ちっ…」
2日目
「またいるし」
「あ?」
「そこ空けろ」
「だからめんどくせェっつってんだろ」
「何でわざわざそこに座るかな」
「何が」
「ベンチなんざ腐るほど余ってんじゃねぇか」
「じゃあお前が他行け」
「何でだよ。あーもーめんどくせ」
「…何で向かい側」
「何処に座ろうが俺の勝手だろ」
3日目
「…今日は文句言わねェのか」
「は?」
「ベンチ」
「ああ…俺は大人だからな、てめェと違って」
「…ぶっころ」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「クソ犬、知ってるか」
「あ?」
「銀行で万札を全部1円玉に変えたらどうなると思う?」
「とりあえず、どうでもいい」
「正解は変えてもらえない」
「……」
「銀行には2500円分くらいしか1円玉無いんだと」
「ほう」
「でも連絡しとけばできるらしい」
「どうなんだよ」
「でも1円玉1万円分で10キロだ」
「充分運べるだろ」
「買い物の度にか?」
「とりあえず、分ければ済むことだ」
「あーなるほど」
「馬鹿猿」
「うるせぇよアホ犬。でもあれだ、1万円のモン買う時はどうすんだ」
「とりあえず、1円玉なんかに両替するから悪い」
「いやそれ言ったらおしまいだから」
7日目
「お前占いって信じる?」
「とりあえず、信じねぇな」
「だろうな」
「それがどうした」
「インドの占い師におもろい奴がいんだよ」
「あ?」
「『1959年に最後の審判の日があり、天災や戦争などで世界人口の75%〜80%が死滅する』」
「何なんだそれは」
「その占い師が言った予言」
「当たってねェじゃねぇか」
「それはそうなんだけどよ、」
「?」
「この予言発表したの1981年なんだよな」
「……」
「傑作じゃね?」
「……」
「おい」
「……」
「いや別にそんな笑い堪えなくていいから」
10日目
「なあお前それ」
「何だよ」
「その目ってさー」
「あ?」
「生まれつきそんな色なわけ?」
「…まあな」
「髪は」
「ブリーチ」
「元は黒?」
「とりあえず、違うな」
「お前の親何人」
「知らね」
「おいおい」
「本当に知らねんだよ」
「普通青だろ」
「何が」
「色素薄かったら。目」
「さあ?」
「知ってるか」
「何を」
「目の色素少ない奴って光線とか弱いんだって。だから外人は日本人よりもグラサンが必要らしいぜ」
「…じゃああいつもか」
「あいつ?」
「あいつだよあいつ、司馬」
「ああ…あれは違うんじゃね?」
「じゃあ何だよ」
「兎丸が言うに、恥ずかしがり屋」
15日目
「お前それ飽きねェの」
「あ?」
「食パンと珈琲牛乳」
「別に」
「栄養偏るぞ」
「辰みてェなこと言ってんじゃねェよ馬鹿猿が」
「何だとクソ犬」
「お前といると馬鹿がうつる」
「ああ!?そりゃこっちのセリフだ」
「とりあえず、うるさい」
「あ、お前もしかしてあれか」
「?」
「それでいきなり此処で飯食うようになったんか?」
「は?」
「モミーうるせェんだろ。姑っぽいもんな〜」
「何が言いたい」
「健康管理ぐらい自分でちゃんとやれよ。だからモミーハゲんだろ」
「あいつのヅラはネタだネタ」
「でもほっといたらモミアゲばっか伸びててっぺんハゲになんぞ」
「…俺の知ったことじゃない」
「投げるたびにてっぺんハゲだぞ?」
「試合中は帽子被ってんだろうが」
「そういう問題かよ」
「とりあえず、それ以外に何がある」
20日目
「げ、やっぱ降ってんじゃん」
「何やってんだ馬鹿猿」
「雨降ってんだよ。ベンチ使えねェ」
「あっち」
「あ?」
「あっちの屋根の下誰もいない」
「おーラッキー」
「待て」
「お?」
「とりあえず、お前も行くのかよ」
「何だよ行っちゃ悪ィか」
「いや…別に…」
「そんな嫌そうな顔しなくてもいいじゃねェか!」
「この顔はもとからだ」
「あーもーいいよ教室で食べる」
「俺も」
「どうなんだよ」
「あそこ見つかるし」
「誰に」
「辰」
「いいだろ別に」
「あと女」
「…さいですか」
30日目
「そういえばいいのかあいつ」
「あいつ?」
「あいつだよ、報道部の…」
「ああ、沢松?」
「それ。お前いっつも一人だろ」
「あー…そういえば」
「友達いないのか(プ)」
「違ェよ。てめーと一緒にすんな」
「じゃあ何で」
「沢松は毎日パシらされてますから」
「ほう」
「先輩があのスッパさんだからな」
「それはそれは」
「お前は明日から違うな」
「あ?」
「後ろ」
「?」
「犬飼君」
「…辰…」
「な?今日までだろ?」
「食パンと珈琲牛乳はおやめなさいと言ったでしょう!」
「怒るなよモミー、ハゲるぞ」
「勘弁してくれ…」