即興小説ログ「灰色の春」
春が好きだった。
愛する草花が咲き乱れ、新生活に少し緊張した人々が街にあふれ、誰もが何かが始まると期待をする。そんな季節に生まれたことを、何度だって感謝した。
春が好きだった。
「……報告は以上だ」
そう言って真田が帽子の鍔を引いた様子を、気配だけで感じ取る。新しい練習メニューや新しい部員、みんながどんな風に練習に打ち込んでいるか、俺はずっと窓の外を見ながら聞いていた。
「順調そうじゃ…