大柴ハピバ

 ――テメェの馬鹿はいつまで経っても直んねえな  ――んだと!?  ――鏡見てこいよ、顔に馬鹿って書いてあんだろが!  包丁の裏で叩く肉は、父親が奮発して買ってくれていた豚ではなくて牛だ。同じタンパク質なのだから安いほうがいいだろ、なんて言ったってあいつは聞きやしない。つきたい悪態を抑えて力任せに叩くと、塩胡椒の香ばしさが広がるからたまらない。  喧嘩なんて珍しくないから理由をいつも忘れてしまう。…
2017年10月10日
DAYS , 柴君

即興小説ログ「都合のいい男」※お題:人妻の人

 馬鹿だ馬鹿だと思っちゃいたが、ここまで馬鹿だとは思わなかった。  「テメェはなんもわかってねぇな。出会うのが早いか遅いかだけの違いだろうが」  そんな風に吠えていたのがいつのことだったか。  「あいつは確実に俺を選ぶんだよ。なんせ俺だからな」  親指立てて自分を指して、自信満々に口角を上げる馬鹿をお前らしいと思ったことは認める。せいぜい痛い目見るがいいさ、そう思ったことも認める。  けれど、雨降…
2017年7月1日
DAYS , 柴君